イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
★★★★★
第二次世界大戦中にエニグマ暗号の解読に取り組み、のちにコンピュータ科学・人工知能の父と称される天才数学者アラン・チューリングの生き様を描いた伝記映画。
エニグマ暗号の解読に尽力し、終戦を早め、多くの人々の命を救っただけチューリングの功績は、戦後長らく閉ざされてきた。
チューリングは戦後、同性愛の罪から強制的なホルモン療法を受け、自殺してしまうという悲劇的な最期を遂げるが、2009年、当時のイギリス首相によって戦後の扱いに対して公式に謝罪が行われた。
この映画ではそんなチューリングの知られざる努力と才能を見事に映像化している。
実際のチューリングは、アスペルガー症候群であったとされ、作中においても才能がありながらも、その独特な人格をカンバーバッチが見事に演じている。
また、チューリングだけでなく、周りの登場人物も程よく描写されている。
物語はほぼノンフィクションにも関わらず、非常に観やすい構成となっており、驚きどころも散りばめられている。
事実は小説よりも奇なりというが、まさに世の偉大な出来事は小説よりもドラマティックで情熱溢れる物語なのだろう。
エルフ〜サンタの国からやってきた〜
★★★★☆
ウィル・フェレル主演
クリスマスシーズンに観たかったけどずっと借りられててようやく観れました(笑)
大まかなあらすじは、エルフに育てられた人間の子が本当の父親に会うためにニューヨークを訪れ騒動を起こす…というもの
笑いどころや話の筋はガッツリ子供向けで、まさにファミリー向けの映画だろう。
もちろん大人も楽しめる。
ラスト、サンタが群衆の頭上を飛ぶ様はまさに皆の心にあるサンタの姿そのもので、思わずグッと来てしまった。
そして何よりヒロインのズーイー・デシャネルが可愛い。なぜこんな可愛い子が傍から見てキチガイにしか見えない主人公をすぐに好きになるのだろうか…
まぁ、ハッピーエンドにするためにそこは気にしてはいけないのだろう(笑)
キャッチ・ミー ・イフ・ユーキャン
★★★★★
1980年に出版されたフランク・W・アバグネイル・Jr著の自伝小説『世界をだました男』を元に製作されたノンフィクション。
世界を股に掛け小切手偽造事件を起こす男とそれを追うFBI捜査官の物語。
アバグネイルJrについて調べればわかるのだが、驚くべきことにこの映画に殆ど脚色はない。
身分詐称や脱獄など出来すぎてるぐらい鮮やかなものだが、実際にアバグネイルが行った所業というのだから驚き。
また、この映画が単なる犯罪者と捜査官の追いかけっこだけでは終わらない。
アバグネイルの生い立ちやアバグネイルと捜査官ハンラティとの奇妙な絆もまた見所である。
何となく幸せな気持ちになるラストもよい。
良い映画を観たいという時に薦めたい1本
MILK
★★★★★
主演:ショーン・ペン
自らゲイであることを公表し、同性愛者の公民権獲得や地位向上に尽力した活動家ハーヴィー・ミルクの生涯を描いた伝記映画。
この映画はLGBTに留まらず、自分と違う人を理解することの大切さを教えてくれる素晴らしい映画だ。
最初はゲイ同士の営みを映した場面があり、抵抗を感じるかもしれない。
しかし、話が進む中で彼らはただ純粋に愛し合い寄り添い生きているだけであることに気づかされるだろう。
例えマイノリティであろうとも愛し合っている人々を法が迫害し、人としての尊厳を奪うことはあってはならない。
そんな当たり前のことが認められなかった時代で、ミルクは自らに誇りを持ち全てのLGBTのためにその身を捧げたと言っても過言ではない。
ドキュメンタリー映画として非常に見応えがあり、また倫理観にも影響を与えうる良作。
ミスト
★★★★☆
トーマス・ジェーン 主演
スティーブン・キング繋がりでこちらも。
やたら有名な割に観たことなかったのですが、ようやく観ました(笑)
ジャケットには、原作者であるキングが唯一認めた映像化とあり、原作と異なるという衝撃的なラストはなんとも印象的。(ただ個人的には読めたラストではあった)
作品のほとんど場面は同じ場所で展開していく、所謂シチュエーションスリラーなのだがその中でモンスターの怖さだけでなく人間の怖さも見事に描いている。
サクッとドキドキ、されどガツン。
そんな作品